一昨日日曜は、オルフェーブルの衝撃のラストランに感動をもらいましたが、
久しぶり茂木健一郎著書の「感動する脳」からです。
「感動」は一瞬にして人生を変える
~ドイツの文豪ゲーテはその代表作「ファウスト」の中で、変わるということについて述べています。
何かが変化していく時に、水成論と火成論という二つのモードがあると。
水成論というのは水が徐々に土地を侵食していったり、長い時間をかけて土や砂が堆積して平野ができていったりという現象です。
一方の火成論というのは、火山が噴火して一気に環境が変わるように、急激で短時間の変化を言う。
変化にはこのニ種類があるとゲーテは言います。
そういう視点から脳を見た場合、脳はどちらの変化形態を取るのか。もちろんそれは両方の要素があるわけです。
生まれてから人生を生きていく中で、水が浸透するようにゆるやかに変化していくこともある。
大きな刺激がなくとも、脳は日々確実に変化しています。これは水成論ということになるでしょう。
また一方では、火成論的に急激な変化を起こすこともあります。
この2つが上手く相まってこそ、人生は変わっていくのです。
そして、この火成論的な急激な変化を起こすものこそが「感動」なのです。
多くの人が、実は感動するということを通して、自分の人生が変わったと実感している。
もちろん放っておいても脳はゆるやかに変化しています。しかしそれだけでは人生は変わらない。
多くの感動を味わうことで、人は自分自身や人生を変えることができるのです。
たとえば相対性理論を発見したアインシュタイン。彼は5歳の時に父親に磁石を買ってもらいました。
その磁石をずっと眺めていると、方位磁石がいつまで経っても同じ方向を向いていることに気がつきます。
この不思議な現象に彼は深い感動を覚えました。
そしてこの感動が、後に時間や空間について考えるきっかけになったのです。
画家のパウル・クレーは、ある時、チュニジアに旅行します。そこで見たチュニジアの美しい風光。
今までになかった色に感動を覚え、画家として全く違う境地に達したと本人が語っています。
パウル・クレーにしてもアインシュタインにしても、こうした感動に出会わなければ、おそらくその後の人生はまた違ったものになっていたでしょう。
中略
このように感動というものは、一気呵成に脳を変えるきっかけになります。
そういう意味でも感動のない世界、感動のない人生というのは、自分が変わることのできない人生とも言えるでしょう。
感動があればあるほど、感動の階段を登れば登るほど、人生は変えることができる。
自分の脳を変えることができるということになるのです。
何も、宇宙飛行士のような感動を味わえと言うのではありません。またそんなことは現実的に不可能です。
感動の大きさは他人が決めることではありません。自分の心が決めるものです。
アインシュタインの磁石の感動と、宇宙飛行士の月面に降り立った感動。この2つに優劣や差などはありません。
感動の意義は、それを感じた人間がその後どう生きるかということに関わってくるのです。
~
この節を読んだ時に、ジュニアレッスンで自分なりに心がけていることを思い出しました。
たとえば、アウトボールも気を抜かずしっかり返すことにより難しく追い込まれた状況での練習になること、
もう1つが前のラリーのミスをマイナス思考で引きづらず次のコーチからの来る球をいいイメージで打つことは、急激に変化することは出来ず、徐々に習慣づけていくので「水成論」にあたるのかなと。
また、レッスンをさせてもらってる以上、ジュニアには少しでも「感動」を受けてもらいたいので「火成論」的な急激な変化も意識しています。
具体的には、フォアハンドストロークで背中側に大きくテイクバックしてしまい、振り遅れ、ネットミスをしてるジュニアには、二の腕(肩から肘の腕の部分)を背中側にもっていかず、真上に上げるように意識させることにより、コンパクトなテイクバックにすることなどがあげられるでしょうか。
それを感じたジュニアがその後どう生きるかは大げさですが、どう練習に活かしてくれるのかが私にとっての楽しみの1つです。